突然現れた御曹司は婚約者
由乃というのは私の母親の名前だ。
本当にこの人たちは私の両親のことを知っているのだと感じてドキッとする。
でもそれもつかの間、蓮のお母さんが私の顔や体を触り始めた。
「ご飯ちゃんと食べてるの?こんなに細くて。手も荒れてるじゃない。仕事大変なの?家事との両立じゃ大変でしょ?いいハンドクリーム持ってるからあとであげるわね。あ、でも苦手な香りとかあるかしら?」
矢継ぎ早の質問に頭が付いていかない。
お母さんと私の間に入ってくれたのは蓮だった。
「そんなことより栞はご両親のことを聞きたいんだ。早速で悪いが教えてあげてくれよ」
「あ、そうね。そうだったわね。ちょっと待っててね」
そう言うとお母さんは向かいに腰掛けていたお父さんに目配せして、一冊の古いアルバムをお父さんが出してくれた。
「開いてごらん」
「あ、はい」
言われた通りに開く。
するとそこには生まれたての赤ちゃんがふたり写っていた。
日付は6月6日。
「こっちが栞ちゃん。そしてこっちが蓮よ。ふたりは同じ病院で生まれたの」
里帰り出産をしていた蓮のお母さんは私の母と同じ産院で出産した。
いつも同じタイミングで授乳していたふたりは授乳室で顔を合わせる機会が多くなり、自然と話すようになって退院日には互いの連絡先を交換するまでに仲良くなっていたという。
本当にこの人たちは私の両親のことを知っているのだと感じてドキッとする。
でもそれもつかの間、蓮のお母さんが私の顔や体を触り始めた。
「ご飯ちゃんと食べてるの?こんなに細くて。手も荒れてるじゃない。仕事大変なの?家事との両立じゃ大変でしょ?いいハンドクリーム持ってるからあとであげるわね。あ、でも苦手な香りとかあるかしら?」
矢継ぎ早の質問に頭が付いていかない。
お母さんと私の間に入ってくれたのは蓮だった。
「そんなことより栞はご両親のことを聞きたいんだ。早速で悪いが教えてあげてくれよ」
「あ、そうね。そうだったわね。ちょっと待っててね」
そう言うとお母さんは向かいに腰掛けていたお父さんに目配せして、一冊の古いアルバムをお父さんが出してくれた。
「開いてごらん」
「あ、はい」
言われた通りに開く。
するとそこには生まれたての赤ちゃんがふたり写っていた。
日付は6月6日。
「こっちが栞ちゃん。そしてこっちが蓮よ。ふたりは同じ病院で生まれたの」
里帰り出産をしていた蓮のお母さんは私の母と同じ産院で出産した。
いつも同じタイミングで授乳していたふたりは授乳室で顔を合わせる機会が多くなり、自然と話すようになって退院日には互いの連絡先を交換するまでに仲良くなっていたという。