私は大人?
「今教室入ってきた人、カッコいいなぁ。違う学部の人かなぁ?」
「振り向いたん?カッコイイか?私は苦手やけど…。」
那緒はうっとりした顔で言う。
「彼女おるんかなぁ?」
はい!?
ちょっと待って!
世の中全て顔かよ!
「なぁ、紫苑。全部聞こえてるで…。顔で悪かったなぁ!」
「ちゃうねん!無意識って言うか…」
那緒はにっこり笑って
「紫苑はこれやから可愛いんやん。」
こうしてる間にも大講義室の入口では…
『あっくん。なんで遊んでくれへんの?彼女おらへんかったやん。』
『彼女できたんですよ。すみません。』
『でも、彼女に黙って遊んでも良いやん。』
私には関係ないけど、しつこい女は嫌われるだけやのに、アホやなぁ。
そう暢気に思っていると…
『橘さん。すみません。彼女、この教室にいるんで…。』