私は大人?



やっぱりアホ女はアホ女やで。


皆見てるところで、ふられてやんの。


隣では那緒がブツブツ言っていた。


「カッコイイし、優しいし、その彼女羨ましい。」



一方、大講義室の入り口では…


『じゃぁ、証明してよ。彼女連れてきて!』


『わかりました。橘さんの彼氏、僕の先輩なんですよ。次、言い寄って来たら、先輩に言いますから。』


『…。わかったわよ。』



男の方はもう彼女を見つけたのか、階段を上ってくる。


大講義室は階段型教室なのだ。


隣では、那緒がやっぱり呟く。


「彼女って誰なんやろ?羨ましいわぁ。」



那緒の様子を見ていると呆れて何も言えなくなった。


授業まで後10分。


授業の用意をしていると…


「なぁ、ちょっと来てくれへん?」


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