私は大人?
【ガラン】
ドアが開く時の鈴の音が綺麗やと思った。
「いらっしゃいませ。あっ、あっくんやん。授業は?」
「休講。なぁ、姉貴おる?」
「おるで~。」
「呼んで!」
「わかった。任しとき!ところで、隣の女の子はあっくんの彼女か?」
そう言われて私は…
「違いま…。」
否定しようとしたら、思いっきり睨まれた。
そして直ぐに豹変し、にっこり笑って言った。
「そうなんです。」
ニコニコ笑いながら会話する2人。
繋がれた手は外してくれそうもない。
もう帰りたい!
そう思った時…
厨房の奥から出てきた綺麗な女の人。
「篤!めっちゃ忙しいのになんなん!あっ、紫苑?久しぶりやね?何年ぶりやろ?7年ぶり?」
私の方を見て言う。
覚えてる。
誰やったっけ?
「忘れてるよなぁ。もう7年も経つし!平山知佳。」
「あっ、知佳さん。めっちゃ久しぶりやぁ!元気やった?」