私は大人?



「昔は『あっくん』って言ってくれたのに!」


なんで、こんな人に巻き込まれるの?


「なぁ、あっくんって呼んでやぁ~!」


迷惑な奴。


ホンマに迷惑。


良い歳した男が上目遣いとかあり得へん。


「わかった。呼んだら良いんやろ?」


そう言うと、目をキラキラさせて頷く。


「あっくん。これで良いやろ?」


平山篤弘の方を見ると不満そうにしている。


「違う!口の前で手を組んで、可愛い声で、『あっくん』って!やらへんかったら、苺のショートケーキは出さへんからなぁ。」


仕方ないからやってやる。


私の目的はショートケーキ。


「あっくん。」


さぁ、やってやった。


「それやったらあかん。あげられへんなぁ。」


それから、10分ぐらい2人で格闘した。


「いいで、いつもそう呼んでなぁ。」



恥ずかしくてできる訳ないやん。


あっくんのアホ~!


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