私は大人?
「おとん、苺のショートケーキと紅茶ちょうだい。」
男の子は言った。
「オマエなぁ、その分、小遣いから抜くぞ!!」
「そんなぁ…」
それを聞いた私は、
「甘いの苦手やから、ケーキは食べられへん。」
半分泣きそうな声で私は訴えた。
するとその男の子は、満面の笑みでこう答えた。
「ここのケーキは甘さ控えめ。ついでに苺のショートケーキは苺の甘酸っぱさと生クリームの甘さがちょうど良くて美味いんやで!」
そして運ばれてきたショートケーキ。
「お嬢ちゃん、お待たせしたね。苺のショートケーキ。」
恐る恐る、ショートケーキを口へ運ぶ。
男の子が言ったとおり、ケーキ自体は甘すぎず、酸っぱ過ぎなかった。
「美味しい。」
それを聞いた男の子は、うれしそうに言った。
「おとん!美味しいって!!」
その男の子は、笑って言った。
そして、最後に言った。
「紫苑ちゃん、また来てなぁ!!」