凍り付いた恋心なら、この唇で溶かそう。
さよならのその先は
泣いて、子供みたいに手を繋いで、額を寄せ合って眠った。
このまま目を覚まさなければ、時間が止まってしまえばいいのにと無意味な祈りは虚しく、私を嘲笑うように朝はやって来た。
カーテンから漏れる朝日に照らされて光を反射する白い肌と、それを際立たせるような艶やかな黒髪を見下ろして、私はため息をついた。
「……ごめんね、龍也」
許しを乞うように、彼の頬に唇を押し付けて、私は身体を起こした。
「どこに、行く」
さすがに起きてしまったらしい龍也が、眠い目を擦りながら私の腕を掴んだ。私は本当のことを言おうか悩んで、口を閉ざす。
すぐに眠気から覚醒したらしい龍也の瞳が私をじっと見つめるから、私はため息をついた。