好きだから・・・
オレは自分の手を差し出した。



繋いだ手はすごく小さくて、やわらかくて、女の子なんだなぁて実感させられる。



「水野、もっとワガママ言って!!」



「はい! 早速ですがもう一つワガママいいですか?」



「なに?」



「わたし、森村くんが終わるまで待ってたいんです。」



どうしてこんなに水野は、オレが喜ぶことばかり言ってくれるんだろう。



オレは返事の代わりに、水野を抱きしめて



耳もとで「ありがとう」ってつぶやいた。



耳まで真っ赤になった水野はうなずいた。



「あのさオレのわがままも聞いてくれる?」



「なんですか?」



「そろそろ名前で呼び合わない?」



「はい・・・ 優也くん」



照れた風に言う香恋。




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