好きだから・・・
「優也クン。

ずっと気になっていたんですが

あれなんですか?」



香恋が指差したのは



向こうの部屋に置いてある大きい布が掛かったもの



「行ってみるか?」



コクっと頷いた。



大きい布を取ると



それはピアノだった。



母さんが使っていたもの。



「ピアノだったんですね。」



「あぁ母さんが使っていたやつ」



オレも久しぶりに見る。



母さんが亡くなったからずっと布が掛かったままだった。



「弾いてみるか?」



「いいんですか?

優奈チャン起こしちゃいません?」



「この部屋だけ防音してあるから・・・」



「じゃあ。」



香恋が椅子に座り鍵盤に触れる。



「なにかリクエストありますか?」



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