Sweet break Ⅱ
『…関君?』
『…』
グイっと握手したまま手を引かれ、距離が詰められると、息のかかる程近くに関君の顔。
『…!』
まさか…ここ(会議室)で??思わず、身体が強張ってしまう。
額に、関君の髪が微かに触れる。
キスが落とされるのかもしれない…と、ギュッと目を瞑る…と、
『フッ…やめた』
瞬間、手も身体も解放される。
何故か、心なしかホッとしている自分がいた。
ドキドキはまだ止まらず、お返しのチョコ片手に、関君の髪がほんの一瞬触れた場所を抑えて、羞恥に耐える。
『どうした?』
『べ、別に…』
『やけにホッとした顔してるぞ』
面白そうに笑顔を見せる関君。
『ま、あんまり安心されても困るが、俺は倉沢が最後の相手だと思ってるから、ガッつくのはほどほどにするよ』
さらりととんでもないことを言ったような気もするが、そこは聞き流そう。
『倉沢』
『は…はい?』
『できる限りゆっくり進めるけど、そう甘くはないから、覚悟しとけよ』
何がゆっくりなのか分からないが、そう言う関君の笑顔は、言っていることとは逆に、結構甘くて、この先が思いやられる。