Sweet break Ⅱ
何故か本気で怒っている様子の関君に、大きく首を振り否定する。
『違ッ…からかってなんかない…』
『じゃ、そんな顔、誰にでも見せんのかよ』
『え?』
『喜んでるふりとか…マジで勘弁しろ』
『…でも、本当に嬉しいから…』
『は?』
『だって…だって、関君からだし…』
いつの間にか、声が震えてしまった。
どうして、関君が怒ってるのかわからないけれど、嘘なんかじゃなく、本当に凄く嬉しかったから。
それが例え、単なる意味のない”お返し”でも。
続く言葉は胸が詰まって、声に出来なかった。
直ぐ近くの階段から。複数の社員が降りてくる足音。
こんなところ見られたら、きっと誤解されてしまう。
『ごめん…関君、お疲れ様でした』
消え入るような声で、急ぎ今来た道を戻ろうと踵を返すと、次の瞬間、関君に腕を掴まれ、近くにあった、扉の開いた会議室に引っ張られると、電気も点けずに閉められた。