彩―IRODORI―
さて、話を変えるけど、あたしには小学生のときの友達で、未だに付き合いのある子がいる。
あたしも大概恋愛体質…っていうか、恋愛依存症のところがあって、常にだれかいないと寂しいタイプだけど、その子はひょっとしたらあたし以上かもしれない。

「で、その人なんだけど…」
「うんうん」
「全っ然あたしに興味なくって。でも、諦められないんだ~」

ずっとそんなことばっかり聞いている。
彼氏がいないわけじゃない。
どうやら、本命は別にいるらしい。
だけど、片思いなんだとか。

あたしはジュースを吸いながら「ふーん」とうなった。

「諦められないんなら、しつこいぐらいつきまとえば?」
「そーいうの、嫌いなんだよね、彼。そこら辺のオトコとは違って、ちやほやされてもなびかないっていうの? 色仕掛けも効かないタイプかも」
「へぇ~、百戦錬磨のマリがねぇ…」

マリは、はぁ~と深いため息を吐いた。
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