彩―IRODORI―
あたしとコウキは、別のクラスになった。
「同じ高校に通えるだけでもラッキー」
コウキらしい前向きさに、あたしは落ち込まなくて済んだのかもしれない。
新しい学校に来て、知らない人ばかりで、人見知りするあたしは緊張しっぱなしだった。
コウキだけが頼りだった。
教室の中で、あたしはおとなしく座っていた。
数少ない同じ中学の子とも別のクラスになってしまって、心細かった。
「こんにちは」
髪を肩のあたりまで伸ばした、目のくりっとしたかわいい子が声をかけてきた。
「私、松野昌子っていうんだ」
「高坂彩です」
「私、チャコって呼ばれてるの。マサコ、マチャコ。で、チャコ」
「へぇ。可愛いあだ名」
チャコは不思議な子だった。
とっつきやすくて、明るく活発。
くるくると変わる表情を見ていたら、チャコの友達になれたらと思うようになっていった。
「アヤ、私、同じ中学の子が一人もいなくて。よかったら、一緒にこれからランチしたり遊びに行ったりしよう?」
チャコがそう言ってくれて、あたしは断るはずがなかった。
「喜んで!」
チャコは、あたしの高校生になってから初めての友人になった。
「同じ高校に通えるだけでもラッキー」
コウキらしい前向きさに、あたしは落ち込まなくて済んだのかもしれない。
新しい学校に来て、知らない人ばかりで、人見知りするあたしは緊張しっぱなしだった。
コウキだけが頼りだった。
教室の中で、あたしはおとなしく座っていた。
数少ない同じ中学の子とも別のクラスになってしまって、心細かった。
「こんにちは」
髪を肩のあたりまで伸ばした、目のくりっとしたかわいい子が声をかけてきた。
「私、松野昌子っていうんだ」
「高坂彩です」
「私、チャコって呼ばれてるの。マサコ、マチャコ。で、チャコ」
「へぇ。可愛いあだ名」
チャコは不思議な子だった。
とっつきやすくて、明るく活発。
くるくると変わる表情を見ていたら、チャコの友達になれたらと思うようになっていった。
「アヤ、私、同じ中学の子が一人もいなくて。よかったら、一緒にこれからランチしたり遊びに行ったりしよう?」
チャコがそう言ってくれて、あたしは断るはずがなかった。
「喜んで!」
チャコは、あたしの高校生になってから初めての友人になった。