彩―IRODORI―

ユウジ

コウキのことは好き。
だけど、あたしはコウキと結ばれた後から、どうしてもコウキの誘いに気が乗らなかった。

隙があれば、コウキはあたしを求める。
部屋だったり、デート中の人目につかないところだったり。
あたしも、最初はコウキと繋がりたかったから、抱いてほしくて、所構わずおねだりした。

でも、違う、と思った。

次の日になると、あたしはいつも足がガクガクする。

「関節が痛いんでしょ。竹下くんって、優しそうに見えて、結構おかまいなしなのねぇ」

レイカが呆れたように言ってた。

あたし、それからちょっと、コウキと繋がるのが怖い。
< 27 / 123 >

この作品をシェア

pagetop