彩―IRODORI―
ひとり残って、教室の机と椅子を整理する。
教室の窓から、野球部の練習が見える。

コウキは、ほかの一年生と混じってボール拾いをしたり、筋トレをしている。
見込みはあるみたいだけど、レギュラーなれるのかな。

あたしは、前ほどコウキへの思いが強くないのに気付いていた。
なんだか、冷めたことばっかり考えてる。
よく分かんない。

コウキは元々幼なじみだし、よく知ってる。
いいヤツだと思う。
集中力もあるし。
だけど、二人きりのときはちょっと強引。
あたしの体のことなんか、考えてない。

ちゃんと、「辛い」って言ったけど、聞いてくれなかった…。
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