彩―IRODORI―
放送部で最終下校のアナウンスが終わって、あたしは校門へ向かっていた。
すると、部室の清掃で残っていたコウキがあたしを見つけて追いかけてきた。
「外もだんだん暗くなってきたし、送るよ」
ちょっと前までは、あたしが言ってたのにね。
家が近いあたしたちは、よく一緒に帰っていたけど、今はなんだか周りが気になる。
誰か見てたら、なんて言うだろう。
大通りを外れて、住宅地に入ったとき、あたしは思い出したことがあった。
「この前、進路調査があったじゃん、コウキはどこ希望したの?」
「俺は西高。野球強いし」
「えー、西高って頭いいじゃん」
勉強の苦手なコウキが、県内の公立の中でも難しい方と言われてる西高志望なんて。
「アヤは?」
あたしは私立が第一志望だった。内部進学で大学まで上がれてしまう、私立の女子高。
「女子大付属。アハハ」
「アハハって、アヤ、女の園は苦手じゃなかったっけ」
「苦手だけど、大学まで行けるしラッキーじゃん」
「アヤ」
コウキはちょっと真剣な目をした。
すると、部室の清掃で残っていたコウキがあたしを見つけて追いかけてきた。
「外もだんだん暗くなってきたし、送るよ」
ちょっと前までは、あたしが言ってたのにね。
家が近いあたしたちは、よく一緒に帰っていたけど、今はなんだか周りが気になる。
誰か見てたら、なんて言うだろう。
大通りを外れて、住宅地に入ったとき、あたしは思い出したことがあった。
「この前、進路調査があったじゃん、コウキはどこ希望したの?」
「俺は西高。野球強いし」
「えー、西高って頭いいじゃん」
勉強の苦手なコウキが、県内の公立の中でも難しい方と言われてる西高志望なんて。
「アヤは?」
あたしは私立が第一志望だった。内部進学で大学まで上がれてしまう、私立の女子高。
「女子大付属。アハハ」
「アハハって、アヤ、女の園は苦手じゃなかったっけ」
「苦手だけど、大学まで行けるしラッキーじゃん」
「アヤ」
コウキはちょっと真剣な目をした。