【続】strawberry tea
―更衣室前
『ごめんな、
急に呼び出して』
先輩が言った。
誰も居ない更衣室前。
体育館から声援が
聞こえてくる。
それを聞けば心に黒い雲がかかってゆく。
「いえいえっ!!」
『今どこのクラスやってんの?
俺バレーでるから準備で居なかったからさ。
今来たところで。』
あ、バレー出るんだ。
先輩バレー部だもんね。
「今は1-Bと1-Eです」
出来るだけ、声援を
聞かないようにして。
あたしは答えた。
そう言うと、
先輩は目を見張った。
『悪ぃ!!
守谷の試合だったのか!』
蓮は校内で最も有名だ。
だから、何組なのかも大抵の人は知っている。
「いえ!そんな!!」
『応援しなくていいのか?』
……応援…
"彼女のくせに…"
「いえ…その……」
『だってここで1-E負けたら、もう守谷見られねぇよ?』
でも…………
『誘って悪かった。
戻るぞ。』
先輩が歩き出そうとした。
「いえっ…いいんです!!」
先輩は驚いている様子。
『いいの?』
「はい」
…いい。
行かなくて…いい。