【続】strawberry tea
「あの~…蓮君?
どいて頂けると有り難いのですが…」
『誰だよ、お前』
蓮は、そのとてつもなく綺麗な顔を笑顔にすると、あたしの髪を触った。
「……っ」
言葉に詰まる。
『何でも言う事、聞いてくれんだよな?』
蓮はあたしに確かめるかのように言う。
ヒィイイ!!
蓮があたしの耳元に
唇を寄せた。
………っ!
こんな危険な状況なのにあたしはドキドキが収まらなくって。
ペロッ…
「っひゃ!?」
な、何をなさった!?
蓮は熱い息をあたしの耳に吹きかけ……
『久しぶりにシてほしいんだけど?』
と囁いてきた。
っ!?
ぎゃっ…!?
い、今何てっ…
今…"し"をわざわざカタカナにしたよね!?
ち、ちょっと待ってよ!?
「蓮!?
何言って…!?」
『良い?』
妖しく、
片目を細めて笑う蓮。
その笑顔はとてつもなく色っぽくて……
あたしの胸は破壊寸前。
ああ…もうどうかしちゃってる、あたし。
『何も言わねぇって事は承諾って事?』
っ!?んな!?
はい!?全然違う!
「蓮!
何でもしますから!!」
『へぇ~?何でもシてくれんの?』
いやっ!!!
今のは絶対意味が違かったぞ!?
騙されるな、あたし!
「ダメ!シない!」
あたしは蓮をキッと睨みつけた。
しかし、そんなものは全くもって無意味。
蓮は微かに
優しく微笑んで、
『逆効果』
だなんて耳元で甘く低く呟いた。