契約結婚はつたない恋の約束⁉︎

稍からのLINEメッセージは、

【栞、突然ごめん。このGWの後半に神戸へ帰ることになってんけど、会えるかな?】

というものだった。

すでに京都の町家をを引き払っているため、今の「実家」は神戸だ。

……おねえちゃん、婚約破棄しはったこと、おとうさんに話さはるつもりやねんやろなぁ。

姉のためにぜひとも同席しなくては、と思うと、栞の顔が自然と引き締まった。

「……栞、だれからだ?
もしかして……男からか?」

ふと視線を感じて顔を向けると、神宮寺が今にも人をぶっ殺しそうな目で自分を見つめていた。

恐れをなした栞は、あわてて首を左右に振った。

「ち、違いますっ!……東京に住む姉からです」

「何の用だって?」

まるで刑事の尋問のように、すかさず訊かれる。

「このGWにこっちに帰ってくるから会いたいと言うので、今からとりあえずOKのスタンプでも送ろうかと……」

そして、栞がディスプレイめがけてタップしようとした指をがっ、と掴まれた。

「栞、忘れたのか?
おれたちは……ここからは出られないんだぞ?」


……ああぁっ、そうやった!

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