契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
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階段から降りてきた神宮寺は、テレビで観るよりもずっとイケメンで、顔がすっごく小さかった。

しかも、何気ないの長袖のボーダーTシャツにデニムパンツの姿なのに(ということは、ほぼ栞と同じファッションなのに)なんだか後光が射したかのようにキラキラしている。(実は、ラルフローレンのシャツとA.P.C.のデニムが為せる技でもあるのだが。)

……おおっ、もしかして、これが『芸能人のオーラ』ってヤツ?

栞は目を見張った。

だが、神宮寺はそんな栞には見向きもせず、気怠そうな様子でL字型のソファに腰を下ろした。

神崎(かんざき)……で、どこにいんの?そのオバサン」

「先生、神崎じゃなくて『佐久間』です。
……わたしが結婚して、もう五年経つんですけどね?」

しのぶの眉間のシワがさらに深くなる。

「それに、オバサンなんてここには呼んでませんよ。うちの夫がつい最近まで大学で面倒みていた子だって、言ったじゃありませんか」

「へぇ……あいつ、愛人囲ってやんの?
あんなクソ真面目そうな顔して、なかなかやるじゃん」

しのぶの眉間のシワがマックスで深くなる。
なんだか再生不能になりそうで、ヤバい。

「なに言ってるですかっ!うちの夫がそんなことするはずがないでしょうっ⁉︎」

「あ、あの……」

たまりかねて、栞が声をあげた。

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