契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
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栞はチーク材のダイニングテーブルで、食料品や日用品を購入したときのレシートを仕分けして「家計簿」をつけるための下準備をしていた。

……スマホの家計簿アプリをダウンロードして使えばいいか。

すると、それをちらりと見た神宮寺が、なぜか二階へ上がって行ったかと思うと、すぐにまた階下(した)に降りてきた。

そして突然、テーブルの上にどさっ、となにかをぶちまけた。領収証やクレカなどの明細書だった。

「……これも、頼む」

節税対策で会社組織にしているのはいいのだが、すると今度は会社としての決算申告書の作成という(鬱陶(うっとう)しい)義務が生じてくる。

面倒なものはどんなことでもラララ星の彼方に投げ飛ばす彼は、当然のことながらそういう書類は束ごとそのまま顧問税理士に丸投げしていたらしい。

ちなみに、三月決算にすると年度の切り替えで連載が最終回を迎えたり逆に新連載が始まったりで忙しく、十二月決算にすると出版社が正月休みを考慮してすべてが前倒しされる年末進行に重なり地獄のような忙しさになるということで、九月決算だ。

ということは、四月下旬といえども、神宮寺はかなりの量を隠し持っていた。

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