契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
「……それで、契約書の方はいいのかよ?」
栞は、そうだった、と思ってローテーブルに置いていた契約書を手に取った。
「うーん、正直言って、なにが必要なのか、ようわからへんのですけど……しのぶさんのお知り合いの女弁護士さんを、信用することにします」
神宮寺が、大丈夫かよ?という呆れ顔になる。
「せんせ……たっくんの方こそ、ええんですか?かなり、あたしの方に有利になっているはずですよ?」
神宮寺は栞の手から契約書をひょいと取り、そして各項目に目を走らせた。
「……参ったな」
……ほら、やっぱり。
「どこですか?……今言うてくれはったら、善処するかもですよ?」
栞が神宮寺の手元を覗き込む。
すると、神宮寺が人差し指でその箇所をコンコンコン…とノックした。