契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
……浮かれたたら、あかん。
栞は気を引き締めた。
……あたしは、たっくんの「契約結婚の妻」っていうだけで、いつかは解消する「仮初めの相手」やねんから。
「あの……たっくん」
急に真剣な顔つきになった栞を、神宮寺は訝しんだ。
……せやけど、たとえ「契約」であったとしても、あたしと「結婚」してくれはるっていう男には、きちんと言うとかなあかんことがあった。
栞は決心して、口を開いた。
「あたし……実は、不義の子なんです」