契約結婚はつたない恋の約束⁉︎

……浮かれたたら、あかん。

栞は気を引き締めた。

……あたしは、たっくんの「契約結婚の妻」っていうだけで、いつかは解消する「仮初(かりそ)めの相手」やねんから。

「あの……たっくん」

急に真剣な顔つきになった栞を、神宮寺は(いぶか)しんだ。

……せやけど、たとえ「契約」であったとしても、あたしと「結婚」してくれはるっていう(ひと)には、きちんと言うとかなあかんことがあった。

栞は決心して、口を開いた。


「あたし……実は、不義の子なんです」

< 93 / 214 >

この作品をシェア

pagetop