壊れそうなほど胸が苦しくて
『!!!?』
「カッコいいだろ?」
『!!!』
「後ろ乗せてやろうか?」
『!?』
興味津々という感じでナガセのバイクを見ていたサクラをよそに、
集合時間になると田中課長や他の人も全員揃い、俺の車に乗り込んで貰った。
「よし、出発するか!」
先行するバイク軍団も一斉にエンジンを掛け、迫力ある音が駐車場内にこだまする。
サクラにも出発する旨LINEしようとしたら、ナガセが運転席に駆け寄ってきた。
「虎さん、
サクラは俺の後ろに乗せていきます。」
「え!?」
ナガセのバイクの方に目を向けると、
既にヘルメットを被っていたサクラがこちらにピースしてきた。
「あいつバイクに乗ったことないみたいで、めっちゃ食いついてきました。」
「了解。気をつけてな。」
バイク軍団の最後尾、後ろからナガセの背中にがっちり抱きつくサクラを見送った後で、俺も車を発進させた。