壊れそうなほど胸が苦しくて
「それでは新郎新婦のご入場でーす!」
サクラへの返信を考えていたところで、
いつの間にかマイクを持った司会者の合図と共に拍手が巻き起こっていた。
一旦スマホを閉じて俺も両手を叩く。
見つめる視線の先では、
同期入社の倉本が、綺麗な奥さんと腕を組みながらスポットライトを浴びていた。
“孤独死したらどうしよう”
が口癖だった倉本も、
ようやく良い人を見つけて、これで同期組はみんな家庭を持つこととなる。
「倉本―!鼻の下伸びてるぞー!」
「ギャハハハハ!!!」
披露宴でかなりの酒をあおって、だいぶ出来上がっていた同期達が倉本にガヤを入れる。
二次会会場は、ほぼ全員酔っ払いという賑やかな雰囲気となっていた。