壊れそうなほど胸が苦しくて
「それでは始めます。」
会議室に入り、少しの間談笑した後、
早速ナガセがスクリーンすぐ横に立ってプレゼンが始まる。
こちらの期待通り、
取引先の人達の目を見ながら、
ハキハキと要点を伝えるその姿は、
また一段と頼もしさを増していた。
俺達が所属する“部品統括部”は、
製品を生産する上で必要な部品を、
下請け業者や取引先から仕入れる仕事を担当している。
人・設備・時間が整っていても、
部品が無ければ生産は出来ない。
製造現場の縁の下の力持ち的なポジションに位置する俺達は、
円滑に生産が進められるように、
日々こうして様々な取引先を相手に部品の供給ルートを確保していた。