壊れそうなほど胸が苦しくて
田中課長は何かを察したような眼差しを俺に向けてくる。
「虎ちゃん、ひょっとして・・。
大城ゴムを加藤から山村君と川島さんへ引き継ぐって話をした時、
“俺はお役御免です”
って断ったのってそういう事か!?」
「・・・どういう事ですか?」
「かぁ~!!
虎ちゃんもさりげないアシストするねぇ~!
2人きりになる時間を増やしたって訳だな?」
「違いますよ。
ナガセとサクラの2人で十分対応できると思ったから俺は身を引いただけです。」
「・・・まぁそういう事にしておこう。」
田中課長はポンと俺の肩を叩くとまた自席に戻った。
「山村君と川島さんか・・。
美男美女でお似合いだな。」
「・・・ええ、俺もそう思いますよ。」
一通りメールを確認し終えたところで俺も課長に挨拶して家路へと向かった。