壊れそうなほど胸が苦しくて
「虎さん。」
「ん?」
「虎さんなら言えましたか?」
「・・・・何を?」
「“好きな人が出来た”
って嬉しそうに報告して、
どうすれば良いかって
漫画みたいにアタフタして、
ホントに一睡もしてない寝不足の状態で会社来やがって。
上手くいったらピョンピョン跳び回って、
たまにケンカしたら、
この世の終わりのように落ち込んで、
仲直りしたら、
今まで見たことないぐらいの笑顔になって、
そんな姿をずっと傍で見てながら、
自分の気持ち伝えられますか?」
「・・・・・・・。」
「俺とあいつは、
あのままで正解だったんですよ。
仕事のパートナーで、親友で。
それで良かったんですよ。」
「・・・・・・後悔してないのか?」
「・・・・してません。」