壊れそうなほど胸が苦しくて
「数字は特に丁寧に書きなさい。
この問題なんて、正解してるのに“×”つけられてるじゃないか。
多分先生が見間違えたんだろ?」
「そうやって先生に言っても、
“見間違えるような汚い数字書いたお前が悪い”
って“○”にしてくれなかった・・・。」
「採点する人の気持ちに立って、
丁寧に書くように。」
「でも丁寧に書いてたら時間が足らなくなるよ。
最後の問題に辿り着く前にチャイムが鳴っちゃう。」
「それでもいい。」
「え?」
「クチャクチャに答案書いて75点取るぐらいなら、
丁寧に答案書いて30点取ってくれた方が父さんは良いよ。」