壊れそうなほど胸が苦しくて
「・・・・・・・・・。」
「・・・もしかしてお父さん!隠し子!?」
「・・・・どこでそんな言葉覚えたんだよ。
違う違う。
この赤ちゃんの母親はね、
昔お父さんと一緒の会社で働いてたんだ。」
「・・・まさか・・・。
・・お母さんという人がいながら・・・!
この泥棒猫!」
「夢香・・・。ドラマの見過ぎだ。
別に何もない。
それに“泥棒猫”ってのは女の方に対して言う台詞。」
「じゃあ何で泣いてたの!?」
「赤ちゃんの隣に、
“命名”って紙が置いてあるだろ?」
「・・・・桜ちゃん。
可愛い名前だね!
これがどうしたの?」
「俺達は、
彼女のことをそう呼んでたんだ。」