壊れそうなほど胸が苦しくて



「虎さん!ご無沙汰してます。」


「鳥越、元気そうだな。」


俺の左隣の席に座る、
彼の名は鳥越ツヨシ。


元 俺と同じ“部品統括部”の人間で、

何年か前に会社にとっての最重要部署へと異動した後、

そこで異例中の異例人事、
当時24歳で“主任”へと昇格した男だ。



「鳥越主任、何を飲まれますか?」


「やめてくださいよ急に余所余所しくなるのは。
田中課長と虎さんには今でも頭が上がらないんですから。」



うちの部署から異動してからは酒を飲む機会もトンと無くなってしまっていたが、

今日はこうして久し振りに鳥越を呼んだ。




< 55 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop