壊れそうなほど胸が苦しくて
「あ、すみません。大丈夫です。」
田中課長は俺がスマホを机の上に置くのを待ってくれていた。
「みんな、少し業務分担を変更するから聞いてちょうだい。
石神工業がここの所、こちらの要求通りに納入が出来ていない。
虎ちゃんにデータ纏めをしてもらったんだけど、特にここ3ヶ月ね。
それで石神工業の製造部長とも話したんだけど、
俺達“部品統括部”も間に入ってフォローしていくことなった。」
田中課長はみんなの顔を見渡して一拍置く。
「この件は、虎ちゃん、山村君、それから川島さんに担当してもらうことにする。」
「川島さん?」
「え・・。」
「マジかよ・・。」
みんな小声でリアクションを取った。
サクラの名前が出たのはやはり驚きがあったようだ。
「川島さんが今やってる伝票処理業務は神野、山口お前達で手分けしてやってくれ。
北条、フォロー頼むぞ。」
「・・・はい。」
北条は返事をした後、一瞬俺を見た。