壊れそうなほど胸が苦しくて
正規部品は、
その表面に“A-22999”
という刻印が打ってある。
しかし、今実際に設備に取り付けられているものを見ると、
その刻印は“A-22299”
となっていた。
サクラ・・・お手柄だ!!!
「・・・こ、これは・・・・。」
途端に汗が吹き出たのか、
山野さんはハンカチを取りだして額を拭く。
「これでよく設備ぶっ壊れなかったなぁ。」
「ヒッ!」
その肩を、田中課長がポンと叩いた。
「今すぐ関係者を集めて、今日中に部品を交換して、明日の月曜日から再稼働させろ。
それから間違えた原因、
報告書や伝票のチェック機能の見直し等、
再発防止策を纏めて水曜日までに虎ちゃん達に報告しろ。
・・・・きちんと説明して貰うぞ山野!!」
「はい・・・。
・・・申し訳ございませんでした・・・。」
「ちょっと頭上げてくださいよ。」
田中課長が怒った時に出る般若のような怖い顔にビビるのは分かるが、
土下座までしだした山野さんに慌てて歩み寄る。
「虎様。
山村様と・・あの女性にも私が深くお詫びしていたとお伝え頂けないでしょうか・・・。」
「分かりました。
ちゃんと伝えておきます。」
「よし!帰るか虎ちゃん。」