【BL】貴方を好きになっていいですか?
♛︎ 1
✿ 1
「はじめまして。…今日から弟となります、直貴です。…これからどうぞ宜しくお願い致します」
僕、九条彰が二十歳の春、僕に腹違いの兄弟が出来た。
弟の名前は、麻萓直貴。
近くの高校に通っている学生だ。
僕は高校卒業後、直ぐに親の友人が経営しているフラワーショップに勤めたため、もう立派な社会人だ。
「お兄さん、俺の荷物、どこに運んだら良いですか?」
直貴が引っ越しトラックから下ろされて玄関に置いてある段ボール箱を両手で重そうに持ちながら聞いてきた。
「…そうだな。まだきちんと部屋が決まってないから…、俺の部屋に運んでおけば良いよ」
「えっ、良いんですか!?…有り難うございます」
「…いいよ別に…。そんな事より、運ぶの手伝おうか?」
僕が手を伸ばすと、直貴は申し訳なさそうに頷き、
< 1 / 71 >