【BL】貴方を好きになっていいですか?
「男でも可愛ければ可愛いって言っても良いんですよ」
「……ふざけるな」
僕が再び窓の外を見ると、空はすっかり晴れきっていた。
椅子から立ち上がり、机の上に置いてあったカバンを手に取った。
――と、
「…もう行くんですか?」
直貴が麗しい瞳で見上げてきた。
「あぁ…、まぁ。晴れたしもうそろそろ4時過ぎるし…」
僕が左腕にはめた腕時計の時間を見ながら言うと、
「…ひどい」
酷く落ち込んだ声で呟かれた。
「……」
二度も彼を傷つけたくはない。
「………っ!」
気付けば僕は直貴を抱き締めていた。
「…一人にさせる事はなるべく避けたい。…だけど僕も、ずっとここに居る訳にはいかないんだ。…許してくれ」
耳許で囁く。