【BL】貴方を好きになっていいですか?
「……彰…さん」
涙ぐんだ声で直貴が呟く。
気のせいだろうか。
直貴の回した腕の力が強くなった気がしたのは。
僕はそっと直貴の身体から手を離し、
「じゃあ、もう行くね。…寂しくなったら電話でも入れておいてくれれば、時間があれば出るから」
今度こそ本当に椅子から立ち上がった。
直貴は静かに頷き、
「俺、この怪我急いで治します。それで、一生彰さんの事を守ってあげます。…約束しますから…」
僕は頬を掻き、
「そんな事、退院してから言えよ」
小さく笑って病室の扉を閉めた。