【BL】貴方を好きになっていいですか?
店の奥にある「関係者以外立ち入り禁止」の札が掛かったドアを開けた。
ここにはこの店で働く人たちのロッカー諸々がある。
勿論僕のロッカーも。
「……で、話って何ですか?」
「…うむ。今日キミは、残っていけそうか?」
「あぁ、その話なら…」
社長は部屋の隅に置いてある長い革のソファーに腰を埋めた。
「今夜、特に用事も無いですし大丈夫ですが…」
僕のその言葉を聞き、社長は満足そうに頬を緩めた。
「そうか、なら良い」
「……あの、僕何かやらかしましたか?急に残業なんて…」
僕がずっと気になっていた事を訊くと、社長は一気に真剣な顔に戻った。
「いや、別にそういう訳では無い。…詳しい事は夜に話す。閉店時間の後、また此処に来てくれ」
「……はい」