【BL】貴方を好きになっていいですか?
社長はそれだけ言うと、
「では、他の所も周りに言ってくるので」
と、僕に背を向けた。
、
………改まって、どんな話をするのだろう
接客中も僕の頭の中は、その事でいっぱいだった。
そして閉店時間。
「お疲れ様でした~」
「お疲れ〜」
皆が荷物をまとめて帰っていくところを店先で見送り、僕は再び『関係者以外立ち入り禁止』の札が掛かったドアを開けた。
部屋は電気が点いていなく、暗い。
僕はドアの横にあるスイッチを押して電気を点けた。
――と、目の前に大きな人影が見えた。
「……社長?」
恐る恐る声を掛けてみると、大きな影は此方を振り返った。
「やぁ、九条くん。待っていたよ」