【BL】貴方を好きになっていいですか?
「…それにしても、凄い量ね。…今日だけで食べきれるかしら…?」
お母さん――正しくは直貴のお母さんなのだが。が、苦しそうに腹部を押さえて訊ねてくる。
「賞味期限、今日までなんだよなぁ…?…頑張るしかないだろ」
お父さんは気合いを入れて、全て食べきろうとしているらしい。
…皆必死だな……
ちょっと罪悪感を感じた僕が、箸の動きを止めた時、隣に座っていた直貴がそれに気づいたらしく、
「…彰さん、全然箸動いてないじゃん。…ほら、口開けて?…はい、あ~ん」
僕の口元までお肉を運んできた。
えっ、あっ…、ちょっ……、自分で食べるから良いよ!」
僕は慌てて身を反った。
「……へぇ、じゃあ後のやつ皆、彰さんが一人で食べてね?…ごちそうさま」