【BL】貴方を好きになっていいですか?
僕がため息をつくと
「随分お疲れのようだね。…だが、これからが忙しい」
社長は少し、はにかんだ。
「……精一杯、尽くさせていただきます」
僕は苦笑しながら頭を下げた。
結局本社に着いたのは午後1時を過ぎた頃だった。
秋だというのに太陽は頭上で熱気を放っていた。
「暑いですね…」
「うむ…。まぁ、建物の中はクーラーを効かせておる。…先ずは私の部屋まで着いてきてもらいたい」
社長はハンカチで額の汗を拭いながら僕の方を振り返った。
社内は確かにクーラーが効いていた。
心地よい風が僕の頬に触れる。