【BL】貴方を好きになっていいですか?
口には出さなかったが、本社はやはり広い。
入ってすぐのところには大きなロビーが広がっており、沢山の社員たちが行き交い合っている。
「私の部屋は此方だ」
社長はエスカレーターを通り越し、いかにも高級そうなエレベーターのボタンを押した。
途端にドアが開く。
「早いですね」
「…まぁ、このエレベーターを使うのは私と秘書の成川君くらいだからね」
気付けば僕の隣には秘書らしき女性の姿。
「………なるほど」
僕は少し頷き、エレベーターが"6階"を指すのを待った。
ドアが開き、秘書が"開くボタン"を押す。
「どうぞ」
「有り難うございます」
僕は社長の後に続いて出た。
「…まぁ、入りたまえ」