-SHORT STORY- 涙雨 ナミダアメ 〜届かない心〜
君を忘れない。

I believe to meet you again.






雨上がりの駅。

帰宅ラッシュの改札で、今日も、君を見つける。

僕の涙雨は、すっかり乾いてしまった。

でも、いつか、この涙が根から枯れる日が来る。

僕も、君も。


せめて、その時が来るまで、一緒にいたいんだ……。



柱の前に立つ僕の前を通り過ぎる君。

いつもなら僕も見て見ぬ振りだけど、

今日は違う。


颯爽と歩いていく君の手首を掴んだ。





振り返った君の瞳は、何を見てるの?

ガラスみたいに透き通ってしまって、

焦点が合わない。


もっと近くに、そばに来て、

僕のことを思いっきり責めてくれたなら、

君のことを諦められるのに……。


君の心はまだ、雨が降ってる。

しとしと、弱い長雨。


僕は、ただ、そんな雨から君を守る傘になりたかったんだ。


君の雨降りの心に伝えるよ。


「愛してる」
< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

三羽雀
さに〜/著

総文字数/207,831

恋愛(純愛)321ページ

表紙を見る
The Journal Written by a Curious Girl
さに〜/著

総文字数/1,843

ノンフィクション・実話13ページ

表紙を見る
ショウワな僕とレイワな私
さに〜/著

総文字数/73,293

恋愛(純愛)63ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop