-SHORT STORY- 涙雨 ナミダアメ 〜届かない心〜
I thought you were my Best Partner.
今も空けてあるんだ、君の部屋。
空っぽで、しーんとしていて、音ひとつない、無垢な部屋。
思い出がいっぱい詰まってると思ってたけど、それは、幻想だった。
君が居なくなってからは、ただの四角い箱なんだ。
今も、ときどき君の部屋に入って、
君の名前を呼んでみたり、
話しかけてみたり、
君が好きだった歌を歌ってみたりする。
悲しくなって、寂しくて、悔しくて、泣く。
雨の日は、もっと悲しい。
君と出会った日のことを、思い出してしまうから。
何もない部屋に雨音が響いて、寂しさを歌にしたように流れていく。
君と過ごした時間、いろいろなことが残像みたいに焼き付いて、僕にも焼き付けられるんだ。
「もう君はいないんだ」「君はいない」と自分に言い聞かせても、何ひとつ忘れられなくて。
今日も、雨音が響く君の部屋で、
君と僕の思い出の残像を追いかけてる。