-SHORT STORY- 涙雨 ナミダアメ 〜届かない心〜

It’s not easy to make that scene.


もうひとつ。君と付き合ってたときのこと。

当たり前だと思ってた景色が、いくつもあるんだ。

例えば、ふたりで出かけたとき。


君はいつも、僕の左側にいて、

僕は、君の小さい肩に腕を掛けてた。


その温もりを思い出すんだ。

君の体温を覚えてる。

僕の心が覚えてるよ。

忘れられないよ。


だけど僕は、忘れようとしてみるんだ。


思い出すたびに。毎回、毎回。

君を忘れようとしてるんだ。
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