1章
「金を出せ!!」

男がコンビニの定員にナイフを突きつける。

男の名前は、西山秋人(にしやまあきひと)。借金が増えて強盗をした。

「だ、出しますから殺さないで!」

定員が慌ててレジを開ける。

「5万!?もっとないのか!?」

「そ、それで全部なんです」

「チッ、仕方ねーな」

西山はそう言って、コンビニを飛び出した。

「5万じゃ全然足りねーが、無いよりマシか」

と、赤信号の道路にさしかかった。

ハッと気付いた時には、トラックは西山の目の前に迫っていた。

トラックは西山をゴム人形のようにはね飛ばし、車体の下へ巻き込んだ。

ブレーキの音が、鋭い女の悲鳴のように交差点に響き渡った。
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