天国か地獄か

――赤か青。

「二分の一の確率だな?」

西山の問いに、案内人はニヤリッと笑った。

「ほら、次が待ってるから早くしてくれる?」


「・・・決めた」


西山はそう言って扉の前に歩いていった。


「どうか・・天国でありますように」

ゆっくりと『赤い扉』を開く。

眩しい光が眼に差し込む。

バタン。


後ろで扉が閉まった。


―――地獄だ。
すぐにそうだと分かる光景だった。


「あーあ、可哀想にねー」

と、案内人が呟く。


{助けてくれー!}


『青い扉』から、悲鳴が聞こえてきた。


「うるさいなー、全く。自分が地獄を選んだクセにさ」


なんでだろうね。


なんで地獄行きのヤツには『この扉』が見えないんだろうね。

案内人は不思議そうに『赤い扉』と『青い扉』の中間に立った。



『黒い扉』



自分の心がどす黒いせいで見えないのかもね。
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

キスの後は・・・
カグラ/著

総文字数/3,014

恋愛(その他)14ページ

表紙を見る
恋
カグラ/著

総文字数/11,586

恋愛(その他)47ページ

表紙を見る
~ババアとあたし~
カグラ/著

総文字数/5,617

その他23ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop