星をつかまえて……。
 僕の妹――留美は病気で、もう何年も入院している。それで、たまに今みたいな症状を起こす事がある。

 病状は、ゆっくりと、でも確実に進行している。留美の元気な姿を見る事は、もうできないのだろうか……。


「今日は、もう寝ようね」
「うん……わかった。ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだい? 留美」
「お星様……欲しい?」

 ベットに潜り、顔だけを出して留美が聞いてくる。

 お星様――星の事だろうけど、欲しいってどういう事だ?

「私が……プレゼン――」
「えっ?」
「ううん、なんでもない」

 そう言って、布団で顔を隠した留美は「お兄ちゃん、おやすみ」と、そのまま眠りについた。

「ん、ああ……おやすみ」

 僕は留美の様子に少し疑問を持ったが、病室をあとにする事にした。

 お休み、留美。また明日……。
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