星をつかまえて……。
 その後の手続きは事務的に淡々と進み、病室は綺麗に片付けられていた。

 留美のいた場所は、今はただの無機質な部屋。薬品の匂いだけが立ち込める普通の病室。


 ……もう、いないんだ。


 そう実感してしまうと、また頬を伝っていくものがある。

 帰り際、看護師の一人が僕に、「これ、預かっていたの」と一通の手紙を渡してくれた。

 その手紙は、留美からのものだった――。

< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop