向日葵◇ひまわり
二人でベンチに腰かけ
一面に広がる花壇を見ていると、

「私ね、小さい頃からお花屋さんになるのが夢だったの

今はね、夏は一面向日葵が咲いて、
その季節ごとの花に囲まれたペンションを、家族でするのが夢なんだ~。」


懐かしそうに目を細めて
話すひまわりを見つめながら


「へぇ、スゲェな~
何かお前らしい。
俺は…」

そう言いかけて

「いや、何でもない…。」

笑って言葉を呑み込んだ。


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