向日葵◇ひまわり
―理事長室―



大きな机に大きな椅子が、部屋の奥にドンと構えている。


洸と父親は
その手前の客用のソファに、向かい合って座っていた。


洸の父親は、ガタイが良く、髪は黒く、口髭を蓄えていて色艶の良い、年齢より若く見える。


しばし二人、無言のまま座っていたが

「親父、時間とってもらって、悪りぃ…。」

洸が最初に口を開くと、父親が

「いや、
こうやってお前と話すのは、何年ぶりだろうな…。」

落ち着いた口調で、でもどことなくぎこちない感じで言った。


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